「けん玉の過去・現在・未来」
3月29日(日)~4月5日(日)、大阪のディアモールにて開催を予定している世界のけん玉SHOPには、「けん玉の過去・現在・未来」というサブタイトルがついています。
世界のけん玉SHOPの詳細はこちらから
現在のけん玉の紹介という点では、国内外の多くのけん玉をSHOP内に取り揃えているほかカナダからRODが来日しイベントを盛り上げてくれるほか、資料展示としても世界でここにしかないけん玉を用意することができました!
初公開となります、蒔絵無双。
木地の無双に、1年かけて漆塗りと蒔絵を施したもので、けん玉職人・岩田さんと漆芸家・菱田さんが互に最高の技術を出し合ってできた作品となります。
様々な方のご協力があり、今回の展示が実現することを心から感謝いたします。ありがとうございます!
けん玉の過去
GLOKENのウェブサイト内には、けん玉の歴史紹介ページも公開していますが、資料の収集と文献の調査等を継続的に実施しています。
なかなか資料等を公開することが満足にできておらず、もどかしい気持ちがいつもあるのですが、今回のディアモールでは展示スペースを設けることができましたので、ミニサイズではありますが資料館としてパネル展示といくつかの実物資料を展示いたします。
ご存知の方も多いかもしれませんが、けん玉のような(遊び)道具は、古今東西にあります。
中でも最も有名なのはフランスで何度も流行を繰り返した「ビルボケ(Bilboque)」でしょう。
左の絵は1902年頃、フランスで販売されていた料理用ブイヨンについていたコレクションカードです。
絵の作者や制作年は不明ですが、右上の年号1588年当時の王であるHenri三世が真ん中でビルボケをしている様子が描かれています。
そうした経緯もあってかフランスでは子どもの遊びから貴族や上流階級の遊びの側面が強くなったようです。何度も流行を繰り返したように見受けられますが、高価な木材で作られたもの、彫刻が施されたものも歴史的に多く作られることとなり、100年以上も前につくられた当時のビルボケで現在も残っているものを見ると、黒檀、紫檀、ツゲの木といった高級な木材でつくられたものも多く、非常に丁寧に作られ、製作者のこだわりと愛情を感じられるような品が珍しくないことにも驚かされます。それだけ熱心な愛好者が多くいたということが推測できます。
フランスを中心に流行を繰り返したビルボケの他にも、北方の民族が動物の骨等で作って儀式や遊びのために使っていたと考えられるけん玉の仲間も古くから点在しています(上記画像に一部あり)。
また、ビルボケが日本に伝わってきたと言って良いかどうかは定かではありませんが、日本においても少なくとも江戸時代からけん玉(拳玉、剣玉)は楽しまれてきました
※日本におけるけん玉の進化はこちらのページを参照ください。
けん玉ワールドカップ等で世界中の人々が楽しんでいる姿で実感はしているのですが、こうした(歴史)資料を通じて、時代や地域を越えて楽しまれてきたを見ると、けん玉のような遊びというのは人類共通の面白さを秘めた遊びなんだなと改めて思わされます。
けん玉の未来
「けん玉ブーム、その先に」と題したブログに
「過去を振り返って考えてみれば、昨今のけん玉界で起きていることは全く新しいものではなく、歴史がちょっと形を変えて再び巡ってきたと言えるのかもしれません。」 と書きましたが、
『ちょっと形を変えて』の部分は、
日本の「けん玉」(KENDAMA)という一つのものが世界共通の道具になろうとしている、という点であり、これについては人類史上初の現象と言っても過言ではないでしょう。
歴史から学びつつ、遊びとしての楽しさをいつまでも見失わないよう多様性を認め合いながら、未来へ進んで行きたいなと思います。
それは「現在」を積み重ねることでしかできませんので、、、是非一緒にけん玉して遊びましょう!
ディアモールで、お待ちしています!
そして、けん玉ワールドカップ廿日市2015へも是非お越し下さい!
以下、展示予定の資料の一部。今回の画像以外にも日月ボール等展示予定です。