けん玉ミュージアム報告記事(ちゃんえりレポート) 

皆さん、こんにちは!!
けん玉ライターのChan_Eriです。

2023年5月4日〜7日までの期間、松本市の蔵シック館と長野銀行ながぎんコミュニティプラザを中心に『あそぶ!まなぶ!わくわくけん玉ミュージアム』が開催されました。

主催は、一般社団法人グローバルけん玉ネットワーク(以降GLOKEN)
いつもはけん玉のワークショップやパフォーマンスなどのイベントを行いますが、更に今回は、“遊んで学んで、ワクワクして、そんな時間と空間を作りたい”という願いが込められた普段とはまた違ったイベントとなりました。

期間中は、世界のけん玉展、けん玉体験や筒けん工作と検定ブース、そして夕方からはけん玉に様々な角度で関わりのある方々とのトークライブがほぼ毎日あり、けん玉づくしの数日となりました。

トークライブは「おもちゃ学芸員の視点から」「けん玉で育つこどもたち」「木に化粧する」というトークテーマで1日ずつゲストを招き、GLOKEN代表・窪田保さんとトークを繰り広げるというなんとも興味深い内容のものばかりでした。

この記事では、ミュージアムの様子や訪れた方々の声などを伝えられたらと思います。

けん玉の歴史が知れる‼けん玉ミュージアム


“けん玉ミュージアム”と聞いてどんなことが頭に浮かぶでしょうか?
けん玉がたくさん飾られている。そんなに種類ってあるの?など、イメージがあると思います。

一般的なけん玉といえば、赤い玉のけん玉をイメージされることが多いと思います。最近では、日本製のけん玉もあれば、デンマークやアメリカなどの海外製のけん玉もあり、種類が豊富です。またデザインや木の素材、色もカラフルでかわいいものやかっこいいものがあり、本当に多くのけん玉が存在しているのです。

窪田さんが集めてきたものは、そんな現代的なものもあれば、けん玉の歴史を感じる古いけん玉もあるのです。

今回私は、けん玉展示の手伝いから参加し、ミュージアムの準備をしました。

けん玉を飾る段ボールケースの組み立てやけん玉の配置などを3時間かけて数名で行いました。

配置をしながら「こんなにけん玉があったなんて……窪田さんよく集めましたよね。すごい‼」という感心しかしていませんでした。
おでんの形のものやデザイナーさんがデザインしたものなど、初めて見るものばかりで驚きました。
けん玉の展示会は、蔵シック館3号館の2階で開催されており、展示室に並べられた貴重なコレクションは、選定して約80点。(意外とある)

日本だけではなく、世界のけん玉も飾られており、80個並んでいる空間はなんともいえない趣がありました。
お皿にけん玉をしている貴族の絵が描かれていて、“けん玉って高貴なあそびだったのかな……”と思ってみたり、海外のもので動物の骨を使って作られているおもちゃもあったりして、その土地のその時の雰囲気を感じられるなと思いました。

また、大正時代からのけん玉もあり、こんなにも昔からけん玉が存在していて、意外と歴史があるんだと思わされました。

そうかと思えば、近代的なおしゃれなけん玉や木材ではなくプラスチック製のけん玉、なるほど‼これをここに乗せる・刺すわけね‼というアイディア満載のけん玉など、本当に多くのけん玉があることを目の当たりにしました。

展示室の真ん中には、世界のけん玉や子ども達が好きそうなキャラクターのけん玉が置いてあり、訪れた方々が体験できるようになっていました。皆さん、珍しそうに触れて楽しんでいました。ちょっと体験できるブースがあると親しみが持てていいですよね。

他にも「日本だけじゃないんだ‼」「こんなにあるんですね」「ワンピースのだよ‼」と、率直な声が聞こえてきました。展示室では、訪れた方から質問があれば、窪田さんが直々にけん玉について説明することもありました。
私も展示室でけん玉を見ているときに、窪田さんにしれっと質問を投げかけたところ、返答をいただきました。

窪田さんは、青年海外協力隊で海外に行く機会も多くあり、海外先でけん玉やけん玉に似たおもちゃを集めている最中に
「せっかく集めているのにこのまま箱の中にしまっておくのはもったいないな」「皆さんに見てもらってもいいのではないか?」と感じてミュージアムの開催を目指し始めたそうです。

そういった経緯があったのか〜と思い、コレクションしていたけん玉達にスポットライトを当てる機会を作った窪田さんのけん玉への愛を垣間見た気がしました。

それにしても見たことも触ったこともないけん玉ばかりをこんなに近くで見ることができるなんて貴重な空間・機会でした。もう、とにかく見てほしい‼それだけです。(笑)

遊んで学ぼう‼けん玉体験、筒けん工作、けん玉検定

蔵シック館3号館の1階では、けん玉の体験や検定ブース、筒けん工作がありました。こちらのブースも連日多くの方が来場し、すごい賑わいでした。

私は主に検定ブースでけん玉先生として、来場した方々と交流しました。
初めてけん玉検定を受ける子や少し練習してから受ける子、検定を受けるためにやって来ました‼という様々な方がいました。

検定を受けるのは緊張しますし、普段できていたことができなくなることも……。逆にできなかったのに検定中に成功できたりと、不思議なことが起こります。

検定を受ける前に技についての確認や練習をする方もいて
「この級を受けたいけれど、この技ができない」というお子さん。
そうなると、“こうやってみたらどうかな?”と技についてのアドバイスを伝え、一緒に何回か練習するという流れになります。

けん玉を教えたことがある方は感じることだと思うのですが
自分はこの技をわかっているけれど、技に挑戦している方がどんな点でつまずいているのか?をよく見て、少しでも成功できるように体の動かし方やタイミングなどを伝えるようにしています。

一緒に練習して行く中で、技に挑戦している方が感覚を掴み始める瞬間やタイミングがあるのですが、検定ブースでその瞬間に何回か立ち合いました。中には、1つの技を30分以上練習し、出来なかった技を成功させる子がいて、なんだかとても奮い立たされました。嬉しさと感動と喜びを一気に体験し、私も興奮してご本人よりも飛び跳ねて喜んでしまいました。(リアクションしすぎ(笑))

もちろん検定は、小さなお子さんだけではなく、高校生や大人の方々も受けていました。中には「小学校ぶりにやりました~懐かしい~って思いました‼」という高校生の女の子もいて、検定を受けていました。

検定は1日1回のみ受けることができます。
合格できて喜ぶ子、合格できずに涙を流す子や悔しい表情をしている子など、どちらかになってしまう事実はあります。ただ、次回のけん玉検定でも、結果がどうであれ、自分が納得できるように技に取り組めたら……なんて、私は思っています。

そんな検定ブースの横で途切れることなくにぎわっていたのが『筒けん工作』のブース。
こちらでは、その名の通り自分だけの筒けんが作れるということでかなり人気でした。
スタッフの方々も引っ張りだこで、筒けん作りのサポートをされていました。
私も実際に自分だけの筒けんを作らせていただきました。作っている最中から愛着がわき始め、完成させて、それで遊ぶと更に愛着が沸いて“自分が作った自分だけの筒けん”というところが大きいんでしょうね。遊びたくなるし、大切に使いたくなるという気持ちになりました。完成させた筒けんで汗だくになるまで遊んだ子、中には、連日遊びに来て「自分のはあるけど、パパのも作ってあげた」というご家族もいたほどでした。

長野銀行ながぎんコミュニティプラザにて、けん玉エンタメが楽しめる
(ぬり絵・フォトスポット・パフォーマンス)

長野銀行さんのながぎんコミュニティプラザには、たくさんの種類のけん玉が飾られている大きなフォトスポットとけん玉のぬり絵コーナーがあります。
また、長野銀行さん前では、毎日けん玉のパフォーマンスも披露されました。

フォトスポットでは、記念に写真を撮ったり、けん玉をしている動画を撮影したりと、思い出作りをしている方もいました。
けん玉のぬり絵も大きな絵から細かい絵もあり、どれに色を塗ろうか迷ってしまう程ありました。塗った絵はしばらく、ながぎんコミュニティプラザで飾られることとなりました。

パフォーマンスを披露してくれたのは、Reiyaさん、Nowaさん(新潟)、Hayatoさん、Zuku Kendamaの方々。世界レベルのパフォーマンスを日替わりで見ることができるなんて、またとない機会。
私も最終日にパフォーマンスを見に行くことができました‼
生憎の雨でしたが、観客の方々も普段あまり見ることのないけん玉のパフォーマンスに“何をしてくれるんだろう”という熱い眼差しを送っていました。

基本的な技の紹介や技を組み合わせたオシャレなパフォーマンス、ダンスとけん玉を組み合わせたものなどを披露していました。また、観客を巻き込んで、一緒にとめけんや、たこやきなどの技をお客さんの前でやってみるという体験の時間も設けられ、客席から呼ばれた方たちも堂々とけん玉の技に挑戦していました。

この時2歳半の女の子がお父さんと前に出てきて“たこやき”にチャレンジ‼
見事成功させていました。しかも、恥ずかしがることもなく堂々と!この時の女の子のお母様にお話を聞いた記事もありますので、後半のインタビュー記事を是非、ご覧ください‼

見ているだけではなく、お客さん参加型のパフォーマンスは、素敵な時間と経験になり、楽しさが増しますね。

けん玉ミュージアムに来場された方々の声

展示を見たり、体験をしたり、けん玉の歴史や種類を感じることができた盛りだくさんなけん玉ミュージアムに、来場された方々にインタビューしました。

フクタ アキヒロさん 4年生 愛知県 

けん玉ミュージアムに来たきっかけなど

Instagramを見て、けん玉検定を受けたくて、今回来場しました‼
けん玉は保育園の時にやってはいたけれど、本格的にやり始めたのは小学3年生です。

けん玉をやっていて楽しいところ、好きなところはどこですか?

やりたかった技ができて、達成感があるところです。
けん玉でやりたい技がある時は、長時間やるときもあるけれど、やらないときもあって色々です。今は、鶯の谷渡りをやりたいと思っています‼

けん玉ミュージアムに来ての感想など

けん玉ミュージアムに飾られていた、輪投げとけん玉が一緒になったやつが面白いなと思いました。

ムラサワ ユウサクさん・ヨウコさん・イチカさん 駒ヶ根市

けん玉ミュージアムに来たきっかけなど

けん玉ミュージアムを目指して今日は来ました‼
夫がけん玉が好きということと、婦人服屋を営んでいて、けん玉が好きなので、そこでけん玉の取り扱いを始めました。
平日休みなので、イベントがあっても中々松本の方に来られなかったのですが、今回GWということもあり店舗を休みにして、最終日を目指してようやく来ることができました。

けん玉ミュージアムに来ての感想など

ミュージアムはめちゃめちゃ面白かったです‼
展示室の真ん中にあった色々な使ってもいいけん玉をやって「永遠にできるね」って言いながら夫婦でハマって、楽しかったです。
想像もしていない形のけん玉とか、たぶんこういう機会じゃないと見れないので、普通のけん玉も色や素材も色々で見ていて楽しいのですが、あそこまで昔のけん玉や海外のけん玉を一斉に見る機会が中々ないので、楽しかったです。

パフォーマンスを見ての感想はありますか?イチカさん(2歳半)、お父さんと前に出て堂々とけん玉していましたね‼

普通に生活していたら、実際あそこまでいろんな方が長くパフォーマンスやプレイをする姿を見ることがないので、食い入るように見ていました。
気づいたら娘も前に行こうとするのどで、背負っていたリュックを引っ張って、前に行こうとするのを必死に止めていました。(笑)
娘がそこまで積極的な子っていうのを今日初めて知りました。

パフォーマンスを見ているときに「前に出てきて一緒にたこやきをやってくれる人⁉」と掛け声があった際、大勢の人が見ている中、お父さんと一緒に前に出てきて、たこやきの技に挑戦していました‼母さんいわく。びっくりしました。

今まで、コロナ化ということもあり、人が集まったりする機会もなく、娘が人前に出たがる姿を見たことがなく(人前に出る機会が)、そんな姿を見て親が一番ビックリしています。今日は色々な経験をさせてもらって、けん玉の塗り絵もお兄ちゃん達と一緒になって、色を塗っている姿があって、いい刺激を受けました。

タキザワ ヒヨリさん 安曇野市 3年生

けん玉ミュージアムに来たきっかけなど

お友達に教えてもらって今日来ました。
けん玉は、保育園の年中さんくらいに「こまのたけちゃん」が来て、教えてくれた時に、最初にもしかめができました。
けん玉は、やればやるほどできるようになってくるから、それが嬉しい。
今練習しているのは、飛行機。昨日練習したんだけど、パパにヒントをもらって狙って、できるようになりました。パパに教えてもらってできるようになったのは嬉しかった!

けん玉ミュージアムに来ての感想など

ミュージアムでは、ミッキーのやつが難しかった。
けん玉の種類がたくさんあるのを「こまのたけちゃん」が教えてくれたけど、あんなにあるのは教えてもらえなかったから、今回初めてたくさんの種類のけん玉をみました。

何か気になったけん玉はありましたか?

おでんみたいなやつ やってみたかったけど、出来なかった。(展示してあるので)

筒けんを作って、みんなと遊んで楽しそうに見えましたが、今日はイベントに来てみて感想はありますか?

筒けんは、前にイージーがきたときに1回やって、自分で作って遊べると楽しい‼
このイベントに来て、新しい友達ができたし、けん玉もできて自分で作った筒けんもできて、嬉しかったです。
これからもけん玉はやっていきます‼

貴重なお話をしてくださり、皆様ありがとうございました★

最後に

GWに併せて開催され、松本の観光に来てたまたま見に来た方もいれば、このミュージアムを目指して県外から訪れる方もいました。多くの来場があり4日間で2200名以上の方々が入場、体験をしました。(そんなにいたんだ‼)

窪田さんは、今回のコレクションについて「選定して80個」と仰っていたので、まだまだ私たちが見たことのない“けん玉”があるのかと思うと、次回のけん玉ミュージアムも楽しみですよね。

全国を回ってやりたいという願望も持たれていたので、いずれ実現されそうですよね。皆さんのお住まいの近くで開催される日もそう遠くはないかもしれませんね。

Chan_Eri(ちゃんえり)

けん玉歴:7年目突入
職業:保育士
けん玉先生取得/けん玉検定エキスパート3級合格
マテオチャンスは人生で1回成功/ジャグ系はまだまだ練習中
2018年第69回紅白歌合戦けん玉ギネス記録に参加し、成功の瞬間に立ち会う
KWC出場歴:5回(2022年込み)

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