岡崎 健(美濃けん玉ネットワーク代表)
(後方右から3番目)
私は、右足の太ももの骨がありません。
40才の時に骨肉腫と診断されて、右大腿骨を筋肉ごと広範切除してチタンへの入れ替えを行ない、杖歩行の身体障害者となりました。
診断当時は趣味でフットサルチームをやっており、週2回ほどボールを蹴っていましたが、ボールを蹴れなくなってからはチームも解散してサッカー仲間と会う機会も減り、まるで隠れるように生活していました。
命をつなぎとめて、右足の骨と共に、ボールを蹴る喜びや仲間との時間や勝利の感動など多くの楽しみを失ったと思っていました。
そして、その楽しみはもう二度と得られないものだと落ち込んでいたことを思い出します。
4年が経ってその年行われるワールドカップの情報をインターネットで調べていたところ、けん玉にもワールドカップがあることを知りました。
サッカーのワールドカップには素より出られないけど、けん玉なら出れるかも?と思って早速けん玉を購入してみました。
やってみると難しい、でもスパイクが成功したときはゴールを決めた感覚に似ていると思いました。
難しくてすぐに行き詰まったのでけん玉教室を探しましたが、当時岐阜には一箇所もありませんでした。
それでもなんとか自力で練習して、念願だったけん玉ワールドカップに出場しました。
その後、GLOKENの窪田さんに、近くにけん玉教室がないがどうやって練習したらいいのかを聞いてみたところ、岡崎さんがやってみたらいいんじゃない?と思いもかけない返答をいただきました。
けん玉をしている仲間をひとりも知らない、けん玉を始めたばかりで知識もない、けん玉を教えてほしいので教えることもできない、ないない尽くめでしたが、何にもないんだからやってみたらひとつは得られるかも知れないと思い立って、美濃けん玉ネットワークを始めました。
始めてみると、仲間にも恵まれて、知らなかった技を知れたり、難しい技も楽しく教え合える集まりになりました。
もう二度と得られないと思っていた、仲間との時間や共に分かち合える感動も、一度失った楽しみを、再びけん玉が与えてくれました。
けん玉先生にもさせてもらったので、これからも楽しくみんなでけん玉をして遊んでいきたいと思います。