窪田 保 (くぼた たもつ)
撮影:金本凛太郎
プロフィール
1981年奈良県生まれ / 広島大学生物生産学部卒業
元青年海外協力隊(モザンビーク・理数科教師)
一般社団法人グローバルけん玉ネットワーク代表理事
2000年頃よりけん玉をはじめ、2003年にはもしかめ連続時間の世界記録樹立。2012年、長年の経験と人のつながりを活かし一般社団法人グローバルけん玉ネットワークを設立。けん玉ワールドカップの開催など、「けん玉で世界をつなぐ」をコンセプトに世界中のけん玉プレーヤーと手を携え、けん玉の普及、活性化に力を尽くしている。
けん玉の歴史研究、資料蒐集も精力的に行っており、
著書に「けん玉学」がある。
活動の履歴 / 主な取り組み
- 2000年
- 大学1年の秋より本格的にけん玉を始める
在学中、広島大学けん玉サークル「DAMAけん」を設立 - 2003年
- 全日本学生けん玉選手権個人の部 優勝
全日本けん玉道もしかめ選手権 優勝 世界記録樹立 - 2004年
- 青年海外協力隊員(モザンビーク共和国・理数科教師)
理数科教師として活動する傍ら、けん玉普及にも取り組んだ。帰国後就職した通信制高校サポートキャンパスにて「けん玉夢基金」を企画。モザンビークの教育支援を目的にイベント等でのけん玉販売収益を同国教育省へ寄付(2012年)。その後全国への教科書配布へと使われた - 2012年
- 一般社団法人グローバルけん玉ネットワーク設立
- 現在
- けん玉ワールドカップの開催、けん玉世界ランキング制度の主宰等、
世界中のけん玉プレーヤーと手を携え、けん玉の普及、活性化に力を尽くしている。
(詳細は「GLOKENとは」ページにてご確認ください)
けん玉にハマったわけ
初めてけん玉に興味をもったのは、小学校低学年の時だったと記憶しています。 当時、けん玉を題材にした漫画があってそれに影響され、駄菓子屋でプラスチックのけん玉を買いました。でも何度やっても、全くできず「マンガの世界か」と思ってすぐにやめてしまった、というのが最初にけん玉に興味をもった時のことです。
小学6年生の冬、父親とでかけた先で木製のお土産用のけん玉を買ってもらいました。低学年の時には全然できなかったのですが、買ってもらったその日の夜に、「もしかめ」が52回できたのを今でも覚えています。飛行機や世界一周といった技が、何度も何度も練習してできたときの嬉しさがたまらなくて、数ヶ月間ハマりました。本を買って、載っている技を片っ端からクリアしていくのが快感で、卒業文集にも「宝物はけん玉」と書くほど好きになりました。ただ、周りにけん玉をする人もおらず、より難しい技を教えてもらえる機会もなかったので、だんだんフェードアウトしてしまいました。
その後、中学からは柔道を始め、大学でも柔道部に入りましたが、1年の夏に腰の怪我が悪化しドクターストップ。 8ヶ月間ほど毎日病院に通いリハビリをする毎日に。その際、昔ハマったけん玉を思い出し遊ぶようになりました。自分でも驚くほど下手になっていましたが、練習していると夢中になり、気が付けば3時間も4時間も練習しているような状態でした。出来た時の嬉しさはやはり格別で、暗黒だった自分の生活の中でけん玉の面白さは、光となりました。日本一になりたいと思い、それをめざして本格的にけん玉を練習するようになりました。
一方で、当時は大学生でけん玉というと結構、揶揄されたもので、こんなに面白いのに、なんで広まらないんだって、もどかしく思ったものです。「子どもの玩具」「昔遊び」としてしか認知しかされていないこと、そして「地味で孤独」といったイメージを変えたいとも強く思うようになりました。
子どもの玩具という枠を超えて、子どもから大人まで楽しめるけん玉の面白さをもっと伝えたいと思い、けん玉サークルを設立したり、縁あってけん玉普及の為に何度もモンゴルを訪れたり、けん玉普及のため2ヶ月間かけてヒッチハイクで日本一周しながら各地でパフォーマンスやけん玉教室を開催したりしました。
知らない土地で様々な人と話せ、仲良くなれ、けん玉の人と人をつなぐ力を実感するものとなりました。 やってみると面白い。やっていると仲間が増える。これが、僕が思うけん玉の魅力です。 もちろん本来、遊びの面白さというのは遊ぶ人それぞれが自由に感じればいいことなので、一人で遊べるのが魅力という人も、木の模様を眺めているだけでも楽しいという人も、同じけん玉が好きな仲間だと、勝手に思っています。
GLOKENを作ったわけ
けん玉を本格的に始めたのは2000年頃になりますが、けん玉を世界に広めたいと思い、大学生の時にはモンゴルへ、卒業後は青年海外協力隊員として赴任したモザンビークでの普及活動も行ってきました。そんな中、2007~8年頃より動画サイトやSNSを通じてアメリカやヨーロッパの国々でけん玉が徐々に広まりつつあることを感じていました。
中でも衝撃的だったのは2010年頃にはアメリカでプロチームが誕生し、「DAMAフェス」というイベントが開催された時です。そこではDJによる音楽が鳴り響く中、見たことのないような技が披露され、子ども達が歓声をあげ、プロプレーヤーにサインを求めて列をなしている様子が映し出されていました。日本で開催される競技大会の雰囲気との違いに衝撃を受けました。日本には日本の良さがありますが、楽しさを伝えることに特化している点や、技の進化、かっこよさ等という点において、けん玉発祥の地である日本が完全に出遅れている状況が悔しくもあり、同時に彼らが心からけん玉を楽しんでいる様子は羨ましくもありました。
海外のけん玉プレーヤーらと仲間になりたい、そして一緒にけん玉がしたい。それが実現すれば、どれだけ楽しいだろうかと想像したらワクワクが止まらなくなりました。
日本のけん玉のイメージを変えられるきっかけになるだろうとも確信しました。
けん玉発祥の地である日本からも積極的な発信をし、将来的にはけん玉の世界的ネットワークの中心地としての役割を果たしたい思い、GLOKENを設立しようと考えました。
メッセージ
けん玉が今の形になってからまだ100年も経っていません。
けん玉が世界に広まり始めてからでは、まだ10年にも足りません。
そんな新しい遊びであり業界なのですが、この数年は特に加速度的に広まっています。
2012年に一般社団法人グローバルけん玉ネットワークを設立し、2014年からは毎年けん玉発祥の地とされる広島県廿日市市(はつかいちし)にて「けん玉ワールドカップ」を開催しています。また、2016年からはけん玉の世界ランキング制度をスタートすることができました。世界中のプレーヤーに公平なチャンスの場を開くことで、コミュニティがより活発になることを期待しています。こうしたことを通じて、設立当初思い描いていたネットワークの中心としての役割を、一つずつ実現できることを嬉しく思っています。
けん玉は競技や大会としてももちろん面白いのですが、国、言語、年齢、ジェンダー、人々がそれぞれ持っているバックグラウンドを超えて、一緒に楽しむことができる点で非常に優れています。そして、手軽な遊びとして楽しむ人から、競技・スポーツとして世界一を目指すプレーヤーまでもが、「できたー!」という喜びの前で平等に遊べ、讃え合い、交流できることも特筆すべき点です。
現在、コアなけん玉プレーヤーがいる国は40~50カ国と思いますが、近い将来にはほぼすべての国と地域に広まると思います。けん玉ワールドカップは世界一を決める舞台でありますが、プレーヤー同士のの交流の場でもありますので、将来は世界すべての国と地域から参加者が集まるイベントにすることが、夢の一つです。
それはきっと、それぞれの人生にとって必要な、人とのつながりを生み出してくれると信じています。
多くの人に、けん玉で遊んで欲しいと思います。
「できたー!」と叫んだら、きっともう離れられませんよ! 一緒にけん玉、しませんか?
2016年4月
窪田保
団体概要・お問合せ
〒390-0861 長野県松本市蟻ケ崎1-1-25
TEL:0263-50-5013 FAX:0263-50-5093
公式サイト
https://www.gloken.net/
オンラインショップ/ メルマガ登録
http://www.gloken-shop.net/